第5章 うなれ体育祭
水の塊の力を解いてただの水蒸気に還元(ラディルツィオネ)する。元の大きさより随分小さくなってしまったダークシャドウは泣きべそをかいてるように見えた。そんなに太陽の光が怖かったのかな。
「常闇君、これ。」
自身が着ていた体操服のジャージを組み替え、黒色のマントにして渡す。
「ダークシャドウを気遣ってくれたのか。」
「あんなに強気だった子がこんなに怯えさせてしまって、勝負とはいえ申し訳ない気持ちになったの。こんなこと常闇君に言うのも失礼な話よね。ゴメン。」
「いや、いい。此方こそ有難う。」
「オマエ、コワイケド...イイヤツ!」
ダークシャドウが常闇君からひょっこり顔を出して、私のあげたマントを被ってくれている。やだ、なに、めちゃくちゃかわいい。
「原操、俺の分まで勝ってくれ。」
「うん、頑張ってみせるよ。」
「それと、あんまり人前で肌を晒す物ではないぞ。」
「常闇君まで飯田君みたいなこと言わないで。」
最後はお互いに握手を交わして会場を後にした。
観客席にて。
「俺ならあのコンクリに囲まれた時点で終わりだ。」
「コンクリに電気通んないもんな。俺でもアレは無理だけど。」
「え、まってなんか奏脱いでんだけど。」
「うっひょおおおお!!なんかよくわかんねぇけど嬉しいサプライズじゃねかああ!!!」
「常闇君のダークシャドウに闇を補充できるようにマントに変えんやね。」
「奏さんが帰ってきたら新しい物を創造して差し上げなければ!」
「原操の隠れ巨乳ヤベェ。」
「クソだな。」
「いや、今回ばかりは峰田と同じ意見だわ。」
「俺も。」
「クソだな。」