第5章 うなれ体育祭
一筋縄ではいかない、簡単に勝たせて貰えない、そう思うだけでわくわくしてしまう。でもその気持ちの相反する焦り。大きな打撃でも、爆発する炎でもあまり変わらない。一瞬で消えてしまうようではダメなのかな?この作戦だって何度も通用するわけじゃない、一瞬じゃなくて....
一瞬、火花、電撃、爆破、 光!
彼の個性の名前はダークシャドウ、それが力を保つのには闇を補充する必要があるはず。詰まりは闇がないと個性が発動しにくい、弱点見つけた!
「来ないのならこちらから行くぞ!」
中距離を一気に詰めるダークシャドウを走りまわりながら交わしていく。途中、コンクリに触れるのも忘れずにね。
「おっと!?ここで原操逃げの一手かぁ??それとも麗日みたいな策でもあんのぉ!!?」
マイク先生ビンゴ、いくらダークシャドウがパワーもあってスピードがあったとしても視界を一気に塞ぐ程のコンクリートに囲まれれば必然的に私からの意識は逸れる。その時が勝負!
「今だ!」
常闇君の周りを囲む8枚のコンクリート、ダークシャドウはそれを破壊するのに気を取られこちらを見ない。その隙に空気中にある水蒸気、水素と酸素を組み合わせ、水の塊を作り出す。
「ウラァ!ナンカイヤッテモオナジダゼ!」
「常闇君、中学生の時習ったよね。光の屈折の話。それを利用する事によって光のみで火を起こす事もできる。」
「こんな時に何の..!?」
「意味、わかったよね。常闇君の弱点、それは光、最も強い光とされる太陽光だよ!」
常闇君とダークシャドウも頭上に水の塊を浮かべた。それがレンズの代わりとなり光は一点に集中する。まるでスポットライトのようにね。どんどん小さくなり、弱々しく覇気がなくなっていくダークシャドウ。
「...まだ、闘う?」
「っ....まいった。」
「常闇君降参!原操さん3回戦進出!!」