第5章 うなれ体育祭
緑谷君と轟君の戦いのあと、皆に激励されながら控え室に行った。あんな戦い見せられて、熱くならないわけが無い。飯田君VS塩崎さんの戦いも直ぐに終わり、私の出番が来た。大丈夫、策はある。
再び、この場所へと戻ってきた。緑谷君のように、私は私なりに常闇君の弱点を暴いてみせる。
「2回戦!第3試合、スタート!!」
マイク先生の掛け声と同時に、常闇君の個性、ダークシャドウが現れる。ダークシャドウはそのまま私に攻撃を仕掛けてくる。
「ウラァ!」
ダークシャドウの大振りを相殺するように此方も蹴りを入れるがパワーも向こうが強い。荒いけど、やるしかないよね!
「セメントス先生ごめんなさい!」
先に謝ったし後は何しても大丈夫だろう。多分。地面に手をふれ、盤の目になってる一区画を個性で持ち上げる。常闇君の弱点を炙り出す方法、それは爆豪君の爆破と電気の電撃の共通点を喰らわせる。単純な打撃か、熱か。それを見極めてやる!
持ち上げたコンクリートの塊をそのままダークシャドウに投げつける。然し、それもあっけなく破壊される。単純な打撃では怯んだりしない。
「なら、燃えてみる?」
コンクリート塊は目隠しにもなる。ダークシャドウが破壊したと同時に、手に持っていたコンクリをはじき合わせる。そこで生まれる微かな火花は、私が凝縮させた酸素の塊にあわせて、大爆発を起こす。
「コンクリが浮いたと思ったら大爆発!?お前の個性どうなってんの!!??」
マイク先生のMCをよそに、爆煙が晴れるのを待つ。
「流石に、コレだけじゃやられないよね。」
「無論。」
煙の奥に立つ彼に、私は何処か期待したような笑みを浮かべた。