第5章 うなれ体育祭
流星群、そう形容するに相応しい程の岩の数。爆豪君の爆破を受けながらそれに飛び散った岩石を上に蓄えていた。
BOOM!!
それでも、その作戦を上から押さえ付けるほどの力を持つ爆豪君。本当に、彼には舌を巻く。憧れと尊敬の念を向けるよ、本当に強い。お茶子はそのまま許容重量オーバーで倒れ、爆豪君の勝利となった。
小休憩を挟んだ後に、切島君VS鉄哲君の腕相撲対決が行われ、2回戦進出を切島君が決めた。
そして、2回戦最初の対戦カード、緑谷君VS轟君。宣戦布告し合ってた仲の二人だからか、クラスの注目度も高い。何より、この勝負は絶対に一瞬で終わったりは無い。緑谷君の個性も超大だ。
「爆豪君、」
「あ?」
「どっちが勝つと思う?」
「デクが負けるに決まってる。」
「アハハ、私怨丸出し。でもね、爆豪君。私の勘なんだけどさ、彼の本気が見れそうな気がするんだ。」
爆豪君は鼻で笑ってまた視線を落とした。№2ヒーロー、エンデヴァーの息子だけど、その実態は父親嫌いの何か抱え込んだ物を持っている一人の青年。その心を突き動かせるのも青年だと思う。何より、彼らはどことなく似ている。
「体育祭トップクラスの成績!緑谷VS轟!!!」
会場は大いに盛り上がっている、それもそうか。だって障害物やら騎馬戦やらで注目全部持っていった二人だもんね。
「今、スタート!!」
開始と同時に轟君の氷結、緑谷君の超パワー。開始から力と力のぶつかり合い。見ているだけでゾクゾクと背中を燻られてる間隔だ。次々に氷結が作られては壊される。何度も繰り返すたびに、緑谷君の指が変色している。
「げ、もう始まってんじゃん!」
「お!切島、2回戦進出やったな!」
帰って来た切島君を電気が声をかけ迎えた。切島君もこの戦いに少なからず驚いているようだ。
「お前ェも轟も、強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからな~。」
「ポンポンじゃねぇ舐めんな。」
許容量オーバー、出せる能力には限りがあるということ。それは誰しもにある。私だって限界が来れば倒れる。だからこそ、轟君にだってその限界はある。