第5章 うなれ体育祭
切島君VS鉄哲君の試合は白熱した熱いバトル、お互いが殴る腕を絶対に下ろさない、気力だけで立ってる。
「こりゃ泥沼だな。」
「俺はあんな物理戦嫌だ。」
「...カッコイイ、素敵。」
「「え、」」
瀬呂君と電気に全然違う生き物を見る目で見られた。まって、何で。
「だ、だって!あんなに気持ちでぶつかり合ってるのとかかっこいいじゃん!!」
「あー、はいはい。ソウデスネー。」
理解できないという風に電気にあしらわれ、ムカついたから下痢つぼ押しといた。後でトイレにこもってろ。
「個性ダダ被り組!鉄哲VS切島、真っ向勝負の殴り合い!制したのは___」
「両者ダウン!引き分け!」
互いに改心の一撃を喰らわせ、同時にダウン。回復後に簡単な勝負で決めるらしい。本当に切島君は私の闘魂をくすぶってくるのが上手い。また戦いたくなってきた。早く常闇君と対戦したい。
でも、その前に、きっと確実に私の前に立ちはだかるであろう男。爆豪君の試合をしっかり見ないといけない。彼の個性や体の癖をちゃんと見なければ。お茶子にとっては最大の難関だろうけど、100%勝機が無いわけじゃない。そこもしっかり見させてもらう。ああ、楽しみなんだ。
お茶子の勝機、それは爆豪君に触れること。触れさえすれば自由は無い。けど、彼がそう簡単に距離を詰めさせてくれない。ただあるのは特攻していくのみ。
「見てから動いてる..!?」
「あの反応速度、」
「あれじゃもう煙幕は関係ねぇな。」
視界を遮り、変わり身も置いたのにかわされる。センスもフィジカルも有り余りすぎだ。その後も向かってくるお茶子に迎撃を喰らわせる。その爆豪君の姿に大ブーイングの嵐。お茶子の気持ちも、爆豪君の気持ちもわからないなんて本当に彼らはヒーローなのだろうか?
「っち、ブーイングしてる人今すぐ黙らせたい。」
「まぁまぁ、落ち着けって。」
隣にいる瀬呂君に宥められる。相澤先生の言うとおりさっさと転職しろ。見える位置にいるくせに、見えないからと偏見を押し付けたプロなんかこれから先にやっていけるわけないのだ。
空から降ってくるのは、お茶子が爆豪君の戦いの中で繰り出す、最大の攻撃。