第5章 うなれ体育祭
「立て続けに行くぜぇ!第5試合、腰にベルトがあっても変身しねぇぞ!ヒーロー科、青山優雅!」
「VS!!体育祭でもヒールの靴!?個性も変幻自在すぎる!?ヒーロー科原操奏!」
相変わらずのマイク先生のMCには苦笑いだけど、この舞台に立ってこんな視線を浴びて、盛り上がってる。緊張するよりも興奮が抑えきれない。ああ、もう、最高だよ雄英!
「さぁ!いってみようか!!第5試合、スタート!!!」
「...ごめんね青山君。」
マイク先生の合図とともに射撃の体制に入った青山君に一言、謝る。
「それは何の謝罪かな?僕の美しさに恐れをなしちゃったのかな?」
次々と発射されるビームを避けながら、どんどん青山君に近づいていく。電気との特訓で得たのは個性の発動条件の整理だけじゃない、柔軟性だ。
「あら、奏ちゃんて、あんなに体柔らかかったかしら。」
「ふふーん、違うぜ梅雨ちゃん。俺との特訓で奏は柔軟性を手に入れたんだぜ。最初はまじで鉄板でも入ってんのかと思ったけどな。」
今では、180度開脚することも容易いこと。それは私の体術の成長を表してる。
「違うの、私、いざ戦いの場になっちゃうとさ。」
レーザーの出しすぎか、見る見るうちに青山君の顔は青ざめてしまう。確か、射出持続時間を過ぎるとお腹を下すって体力テストのときに言ってたものね。
「手加減が、出来ないの。」
彼のベルトに触れ、諸共に破壊する。ベストは形状を保つことなく砂のように崩れ落ちてしまう。攻撃の手段が無くなった、この勝負私の勝ちだ。
「ぼ、僕のベルトが...!」
彼の顎にアッパーを一発食らわして、そのまま彼は失神してしまった。
「青山君失神!2回戦進出、原操さん!」