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ボーダーライン 【爆豪派閥】

第5章 うなれ体育祭


会場の中へ再び戻り、1-Aのクラス席へつくとセメントス先生お手製の会場が出来上がっていた。

「奏~!こっちこっち!」

電気に呼ばれて行くと、隣の席を指差された。座れって合図だ。断る理由も無いのでそのまま席に着く。
プレゼントマイク先生の熱い演説も加わり、会場は更にヒートアップを見せ大盛り上がりだ。初戦、緑谷君VS普通科心操君。何か会話を交わしているのかと思えば急に緑谷君が怒り出した。きっと尾白君関係で煽られでもしたのだろう、彼はまっすぐな人だからそういう煽られ方は大嫌いなはず。

動き出したはずの緑谷君が一歩ともに動かなくなってしまった。尾白君が言ってた個性、コレが洗脳。圧倒的な初見殺し、本当に知らなかったらなすすべなしだ。
そのまま緑谷君は場外のほうへ向かって歩いていってしまう。本当にこんなあっけなく終わってしまうの?

そう思ったとき、いきなり風が巻き起こった。周りが否応なしにどよめく。確かに今彼は操られていたはずなのだから。

「緑谷とどまったぁああ!?」

尾白君は息を呑むようにしながらも言葉を吐いた。飛んだ無茶だ、自己犠牲がすぎる。けど、これでもう緑谷君は心操君の個性にかかりに行ったりはしないだろう。

心操君の心の声はたしかに聞こえた。会場に設置されたマイクにスピーカー越しの少年の本音は心にくる物がある。誰しもが輝かしい表舞台に立てる訳でもなんでもない、だから夢を見てしまう。心操君の言葉を聞いて、私はより一層負けられないと心に刻んだ。

「心操君場外!緑谷君2回戦進出!!」




トーナメントは始まったばかり。
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