第5章 うなれ体育祭
「奏ちゃん!レクリエーションどうするの?」
「んー、私は休みたいから出ないかな~。」
「そっか、私たちレク出てる人応援しようと思うけど、どう!?」
説明終了後、透ちゃんが話しかけてきた。なんともチアの格好にノリノリである。「遠慮しとく。」とだけ断って、会場の中に入る。何より今は、自らの体力を少しでも回復させたい。午前中の競技、もう少し力をセーブできると思ってたけど、そんな余裕は無かった。皆本気なんだ。
「はぁ。」
着替えを済ませて、ベンチに座る。会場を出たところにある暖かくて心地の良いベストポジションを見つけてしまった。顔を上げてみると、木々の陰から日が少し差してまどろみを感じさせられた。
次の戦いの作戦を考えておかなくちゃ。
青山君はとにかく腰のベルト、アレが攻撃手段だからそれを潰してしまえばいい。レーザーのように一直線上にしか発射できないビームならいくらでもよけられるし、彼はそこまで身体能力が高いわけでもない。先手必勝、コレに限る。
2回戦がヤオモモの場合、コレが個性発動条件にどう影響するかなんだよな~、電気みたいに、「溜めたものを出す」じゃなくて「本当に自分で創ったもの」だから、大砲みたいなものが置かれてても私がいきなりそれを破壊することができるのかできないのか。それによって異なるし、やっぱりヤオモモと私の相性ってそんなに良くないんだよな~。
常闇君、彼の個性のおかげで緑谷君チームは守られたといって言い。攻撃力もあるし、何より本体でないからどんどん飛び出せる、ある意味最強のはず。だけど、それにも何か必ず弱点があるはずなんだ。強力な個性になるほど、その誓約は大きい。でも、騎馬戦の開始と終了で大きさが違っただけというだけで弱点なんてどう見つければ...。
「どうすればいいんだよ~。」
もう一度顔を上げ、日差しの光を浴びた。