第5章 うなれ体育祭
「はっ、はぁ、っ。」
肩で息をしながら会場に戻ってきた。結果は4位。最後の緑谷君の追いやげの爆発に妨害された。更に言えば同じ妨害された身のはずの2人にわずかでも出遅れてしまったのだ。完全なる私と3人の実力差が、この瞬間に現れてしまった。悔しいが、今は切り替えるしかない。
「おめでとう、緑谷君。」
「原操さん!?あ、いや、その、本当に運がよかっただけなんだ。」
目の前であたふたとしどろもどろに返答する彼の姿を見て、誰が一位だと思うだろうか。だけど、轟君が最も警戒するのも、頷ける。彼は、私が思うものさしでは測ってはいけない。
「ようやく終了ね!それじゃあ、結果を御覧なさい!」
モニターに映し出される順位。A組やB組を中心とする面々、中には普通科とサポート科もいるようだけど。上位42名、本番はここからだ。
「さーて、第二種目よ!何かしら!?って、言ってるそばからコレよ!!」
騎馬戦、下の順位から5Pずつ、与えられていく方式で、組む人によって騎馬自体のPが変わってくる、入試のP制度みたいな物らしい。
「そして、1位に与えられるPは1000万!!!上位の奴ほど狙われちゃう、下克上サバイバルよ!!!」
言わずもながら、緑谷君の方へ視線を送る。1000万、だれでも一位に辿り付ける。ここで彼と組めば確実に進めるだろうけど。きっと轟君、爆豪君、緑谷君が一緒に組む事はない。それに私自身4位だからそれだけでかなりのPになるはずだ。私と組たいと言ってくれる人もいるかもしれない。
私は、誰を選ぶべきか。