第5章 うなれ体育祭
制限時間15分、誰と組もうか。
「おい、テメェ。」
「え、ナンデショウカ、爆豪君。」
「俺と組め。」
こんな時にカツアゲでもされるのかと思った。チーム決め開始とほぼ同時に肩をつかまれたのだ、吃驚しないわけが無い。そういうことね、確かに爆豪君の頭と個性、それさえあれば結構いけるよね。
「オーケー、組もう。」
二つ返事で決定した。多分、爆豪君は私の個性を解ってる。普段は全然他人の名前すら覚えようとしないけどね。その後はもう爆豪君は有名人みたいにとりかこまれててんやわんやしていた。結局は仲の良いいつものメンバーに落ち着いた。
「テメェらが俺について来い。」
「オーボーすぎる!!」
一言しか言わない爆豪君には何度目かの苦笑いが出た。相変わらず彼は変わらない。前方で切島君が機動力と爆豪君の爆破に耐える要員、左翼瀬呂君が全体のバランスと爆豪君の制御係、そして私が全てを防御する。
「狙いは一つ。」
1位のみ。
「さァ上げてけ鬨の声!血で血を洗う雄英の合戦が今!狼煙を上げる!!!」
開始と同時に殆どが緑谷君の1000万を狙いに行く、それは私たちとて例外ではない。しかし、その突進を振り切るかのように空中へと逃げていってしまった。そういう避け方があるって事は、またそれを出すということ。
「爆豪君!」
「わあってら!!」
私が言わなくても爆豪君は空中へといってしまった。コレは先の作戦タイムで話していたこと、騎手さえ地に着かなければ良い。しかし、あの常闇君の個性厄介すぎる、ぱっとした弱点とかあればいいのに。
瀬呂君が爆豪君を回収して、体制を立て直した時だった。
「単純なんだよA組」
皆が1000万を狙っているわけではない。