第5章 あなたのためなら
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“お嬢ちゃん…その腕輪の危険を知らない訳ではあるまいな?”
店を出たエースに続こうとしたリンに、おじさんは声をかけた。
“…えぇ。多少の攻撃は、ブレスレットに込めた私の力が反応してくれる。だけどあまりにも大きな攻撃を受けたら、私もその攻撃を受けることがある。”
“そうだ。お嬢ちゃんの大事な人にあげるのは分かっておる。だが、腕輪を持つ人が受けた全ての攻撃をお嬢ちゃんが受けてはダメじゃぞ。お嬢ちゃんの体が危ない。気をつけてな。”
“分かってるわ。まぁでも、あの人の為なら私は………傷を受けることなんか惜しくなくってよ。”
リンはおじさんに向かって満面の笑みを向けた。
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「あの黄色い船、リンのとこのか?」
「そう、あれが“ハートの海賊団”の船よ。」
船を見ると、一気にローと会いたくなった。
1日会わないだけでもこんなに恋しいのに、私は海軍なんかに行けるのだろうか?