第5章 あなたのためなら
“わしと…取引しようじゃないか。”
“取引…?”
“そうじゃ。おまえがここに居るということは、トラファルガー・ローも居るということじゃろう?”
“っ…ローに何をする気なの…!”
リンはサカズキをぎっと睨みつけた。
“まぁそう吠えるな。わしは海軍大将。海賊という“悪”を許す訳にゃあいかん。”
“ローは悪なんかじゃないわ!海賊だって…全部が全部、悪なわけじゃないのよ!!”
“落ち着いて話を聞かんか、バカタレが…。確かに、海賊を倒すことは必要じゃ。だが、そんなものよりももっと価値があるものがある。それが何か分かるか?”
サカズキはリンのことをじっと見つめる。
“……それが私の力ってわけね。”
“物わかりがいいな。そこでおまえと取引をしたい。なあに、今すぐにとは言わない。1か月時間をやろう。”
“おまえが海軍に来ると言うなら…トラファルガー・ロー、並びにハートの海賊団の奴らには手出ししないことにしよう。”
“じゃあ…海軍には行かないと言ったら…?”
“残念だが、おまえの大事なお仲間さんは全員……殺す。”
“こ……ろす…?……そんなことは出来ないわ!ローは…ローは強いもの…!”
リンがそう言うと、サカズキは上からリンを見下ろし、口角を少しあげた。
“トラファルガー・ローは確かに強い。じゃが、わしらにゃあ勝てない。わしが殺すと言うたら、おまえのお仲間さんに海軍の勢力を向ける。”
“……1ヶ月後…待っちょるけぇ。よーく考えるがよい…。”
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