第15章 孤独 御影密 切甘
ガチャ
「おはようございます」
左京『…おはよう』
いづみ『おはよう、めぐちゃん』
臣『今日はエッグマフィンだ』
「朝ごはんはごめんなさい。紅茶、飲みたい」
臣『紅茶か、今用意するからちょっと待ってくれな』
いづみ『めぐちゃん、体調は?』
「大丈夫だよ」
左京『そろそろ飯くらいまともに食べろ。もう1週間近く食ってないだろ』
「お腹空かない」
いづみ『…』
左京『…ったく。倒れたりするなよ』
「はい」
臣『はい、紅茶な。ミルクと砂糖はここに置くからな。』
「ありがとう」
めぐは合宿から帰った翌日から様子がおかしい。ご飯もまともに食べずに紅茶ばかり飲んでいる。最初はみんな合宿でご飯などたくさん食べていたからダイエットだろうくらいに考えていた。ところが、話しかけたら話はするが一切笑わない。それどころか敬語に戻ってしまった者さえいたのだ。
めぐがカンパニーに来た頃と同じ。いづみが秋組の団員の募集をかけている時にスタイリストは募集していないかとめぐがやって来た。聞けば業界での経験もあり、今はフリーというのでいづみは二つ返事でめぐをカンパニーに引き入れた。すぐの頃は誰とも関わらず同じ衣装担当の幸にベッタリだった。ある時スタイリストとして譲れない部分で左京とやり合ってからは新しい団員が増える度にすぐカンパニーに馴染めるように人懐っこく全員と過ごしていた。
そのため、こんなめぐを見たのは初期の秋組メンバーまで。冬組以降のメンバーは初めて見た。
ガチャ
丞『おはようございます』
「…臣、ごちそうさまでした」
臣『あぁ、何か食べたくなったら言えよ?すぐ作るからな』
「ありがとう」
バタン
丞『めぐはまだ何も食べてないのか?紅茶ばっかり飲んでると有栖川みたいになるぞ』
いづみ『それはないと思うけどね…ただ心配しか出来ないんだよね。無理矢理聞いてもあれだし、めぐちゃんから話すまでは待ってようって左京さんと話してたんだけどね…』
左京『あの様子じゃしばらく話はしないだろうな。仕方ない、今日の夜全体ミーティングをする。カントクさん悪いが全員に連絡してくれ』
いづみ『わかりました!』