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満開桜

第50章 出会い


幸の口から再度説明がされていく。全ての説明が終わると左京が口を開いた。
左京『わかった。その内容なら予算を出してやる』
幸『…!』
「ありがとうございます、また細かい所は都度相談させてください」
左京『わかった』
「じゃあ、作業の段取り組んでもらっていい?」
幸『わかった、先に進めとく』
幸が部屋を出て静かになる談話室。周りにいた団員達はあの左京に切り込んだめぐに釘付けだった。
左京『清白』
「はい」
左京『お前、何者だ』
「どーゆー意味ですか」
左京『そのままの意味だ。普通俺があそこまで言ったら引くところをむしろ押してきた。しかもそれを瑠璃川に説明をさせた訳があるんだろ?』
「大人としての取り引きの仕方を伝えただけです。幸がそれを感じ取って再度やってくれただけのことです」
左京『それだけのことならいいがな。とりあえず今回の予算は出してやる』
めぐはニコッと笑って礼を述べ、談話室を出た。
太一『…今のめっちゃ可愛かったっス…』
万里『へぇ、あんな顔も出来んのな』
左京『あいつの本当の顔はどれなんだかな』
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自室に戻りラフ案を仕上げていくと幸が口を開いた。
幸『さっきはありがと』
「ん?あぁ、これから先もあることだし交渉術は知っといて損はないからね」
幸『ん…なんか子どもだってこと思い知らされた感じ』
「子どもであることに間違いはないけど、それは弱みにも武器にもなり得るよ。それがどちらになるかは幸次第。自分自身を知ることがまず第一歩だよ」
幸『わかった』
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太陽が昇る少し前に目を覚ましためぐ。あの後、幸と作業を続けいつのまにか寝ていたようだ。幸にブランケットをかけキッチンに向かう。
臣『お?早いな、少しは寝られたか?』
「うん、…いい匂い」
臣『今日はあおさの味噌汁だ、もう朝飯食べるか?』
「うん、お願いしようかな」
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「ごちそうさまでした」
臣『お粗末さま』
「完全に胃袋掴まれた」
臣『ん?』
「こんな美味しい朝ごはん毎日出るとか最高」
臣『口に合ったならよかったよ』
左京『おはよう、って清白じゃねーか。ちゃんと寝たのか?』
「大丈夫だよ、また後で少し進めたら寝るから」
左京『ったく、無理すんじゃねーぞ』
「はーい」
こうしてめぐはカンパニーに馴染んでいった。
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