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満開桜

第49章 女の子 太一 甘夢


いづみ『めぐちゃん、どう?暑いかもしれないけど湯たんぽ持ってきたよ』
「ん〜…ありがと…」
いづみ『やっぱり薬飲んだ方がいいんじゃないかな?』
いづみがサイドテーブルにある薬を見る。
「もう少し様子見てからにする…あんまり薬に頼りたくない…」
ベッドで湯たんぽを抱え、ブランケットに包まっているめぐ。毎月の恒例の行事だ。いつもはそこまでではないがたまに立っていられないくらいの痛みが来ることがあるようで今回がそのようだ。いづみが自分が使っている薬を渡したが元々薬類をあまり飲まないのですぐ効くめぐ。逆にその効果が怖いようであまり飲みたがらないのだ。
いづみ『とりあえず横になってもう少し休んでね?また様子見に来るね』
「うん、ごめんね。ありがと」
いづみがドアを閉めるとさらなる激痛が襲ってきた。
「なんなのよぉ〜…今回痛すぎでしょ…」
どうすることもできない痛みに耐えているとドアがノックされる。
臣『めぐ、まだ起きてるか?』
「寝れない…」
臣『太一も一緒なんだが、入っても平気か?』
「痛みから気を紛らわせたい…」
2人が部屋に入る。体調を崩すことがほとんどないめぐなのでここまで弱っている状態を見るのは稀だ。顔は血の気が引いているのかいつもより白い、というよりも血色が悪い。
臣『体調どうだ?』
「痛すぎ」
太一『どんな風に痛いんスか?』
「内臓に鉛とか詰められてるみたいに重くて痛くて、時々締め付けられるみたいな、」
臣『うん、わかった。もうそれ以上言うな』
あまりにも表現が生々しかったのか臣に止められた。太一は途中までの話を聞いただけで青ざめていた。
太一『なんか甘いもの食べるっスか?』
「カフェインと甘いものは悪化させるから…」
太一『めぐの大好きなものが敵に…』
臣『確か誉さんが前にノンカフェインの紅茶を買ってたな。後で事情を話すから少し使わせてもらおうか。今入れてくるから少し待っててくれ」
「ママ、ありがと…」
臣が部屋を出ると太一が申し訳なさそうに謝ってきた。
太一『ごめんっス…俺っち何も役に立てないっス…』
「太一が謝ること何もないよ、これはもう宿命みたいなもんだし…あ、じゃあ手繋いでて?」
太一『へ?いいっスけど、そんなことでいいんスか?』
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