第44章 BRIDAL Another story 太一 甘夢
BRIDAL meets 太一
幸『バカ犬バージョン。コンセプトは親指姫だから、一番お姫様っぽいイメージ。赤に近いピンクでこっちもチュール素材。ヘッドアクセはティアラで王道のお姫様。髪も敢えて緩く巻いて全下ろし』
莇『メイクも雰囲気に合わせて可愛らしくした。アイラインは垂れ目気味に描いて少し幼さを出してる。』
太一『……』
「幸、太一がこっち見てくんない」
幸『こら、バカ犬!ちゃんと見ろよ!』
太一『痛い!だ、だって、可愛すぎるっスよ!』
「太一、王道系好きだもんね」
太一『あー!直視出来ないっス!』
両手で顔を覆っているが、指の隙間から見ている。
「あーあ、王子様はエスコートしてくれないのか、残念だなぁ」
太一『はぅぅ…漢、七尾太一!頑張るっスよ!!』
「それでこそ太一!」
太一『で、撮影どこでやるっスか?』
「…それでこそ太一…だね」
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緊張しすぎて話を聞いていなかった太一はめぐに連れられて会場にやって来た。
スタッフ『こちらではファーストバイトのシーンを撮りたいので、こちらのケーキを食べさせ合ってください!まずは新郎の方から新婦の方へお願いします』
太一『緊張するっスね、どのくらいの大きさなんスかね?』
「太一の気持ち?」
太一『一番難しい答えっスよー…はい、じゃああーん!』
「ぁむ!……やば、めっちゃ美味しい」
太一『俺っちも食べたいっス!』
「いいよ、…はい、あーん!」
太一『でかすぎるっスよ!?ぁぐ……』
「おぉー、男気見せたねー。はい、口拭くからじっとして」
太一『えへへ、なんか幸せっス!これからも一緒に美味しい物食べてこーやって一緒に笑いたいっス!』
「うん、そうだね!一緒に美味しいって思えるって幸せだもんね!」
スタッフ『はい、オッケーです!』
太一『十座さんはこのケーキ一人で食べそうっスね』
「たしかに…」
Fin