第18章 お花見 Anotherstory① 伏見臣 甘裏
2人はキッチンでそのまま話をしている。
「あの時みんなに心配かけたのは分かってる。でもそれでみんなが安心?してくれたんだと思ってたの。でも話したことでむしろ心配をかけたのかな…」
臣『んー…表現が難しいが、左京さんも言ってた信頼してないわけじゃないってのは分かるか?』
「うん」
臣『うん、それを前提として話そうか。あくまでも、みんながしているのは心配だ。めぐがまた何かを一人で抱え込んでるんじゃないか、話したいことを話せていないんじゃないか、そうだな…心配とゆーより気遣いの方が表現は近いな。』
「気遣い…」
臣『そうだな、でもその気遣いも変に腫れ物に触るのとは違う。めぐのことを知りたいから、めぐを悲しませたくないと思うからする行動だ。みんながめぐを思っていることに変わりはないよ』
「そっか…」
めぐの目から涙がポロポロこぼれた。左京の言葉の真意を噛み砕いて説明してくれた。漠然とまた自分が迷惑をかけたんじゃないかと思っていためぐは左京の言葉の真意を理解した。
「ありがとう、臣…」
臣『ん、左京さんもめぐが大事なんだ。だから感情的になったんだろうな』
「臣もみんなの間に立って大変だね」
臣『そうか?あまりそう思ったことはないんだが…』
「臣がいなかったらMANKAIカンパニーは崩壊だよ笑」
臣『そりゃまたすごい重責だな』
「…臣、ちょっとだけギューして」
臣『ん?いいぞ』
ギュッ
「……ぷはぁー、臣の匂い好き。落ち着く」
臣『ぷっ、匂い嗅いでたのか?』
「うん」
臣『めぐは…甘い匂いがするな。あと酒の匂い笑』
「さっき飲んでたからね。」
臣『ココアより、ホットミルクの方が良かったか?』
「ホットミルクも好きだけど、なんか子どもみたいだもん」
臣『子ども扱いしたつもりはないんだが…ん…』
めぐが臣の言葉を遮るように唇を重ねる。急なことに驚いた臣だが、そのままめぐからの口づけを受け止めた。
「ん…はぁ、…」
臣『どうしたんだ?』
「子どもじゃないって、証明?」
臣『めぐを子どもみたいと思ったことはないな。口で言ってもわからないなら、体で証明してやるぞ?』
めぐが静かに頷いた。