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glorious time

第8章 タイムリミットとクローバー


ブルスケッタに、カプレーゼ。
完全に酒のあてではあるが、手軽に作るならこの辺だろう。

それからスムージーで小腹を満たせるようにと、ロールキャベツと同時進行で進めていく。

のだが。

「……お嬢さん、俺が作ってんのにこっち着いてきてちゃ意味ねえと思うんですけど」

『?…あ、邪魔し「邪魔じゃねえよ!?全っ然!!」そ、そう、』

やけにもじもじしっぱなしのそいつの対応に困る。
なんだよ、こんなベッタリくっついてきやがって。

よっぽど人懐っこい犬か猫みたいなレベルだぞこりゃ。

それも、じいい、と俺の手元と顔とを見てばかり。
照れるじゃねえかそんなに見られてっと…調子狂うぞ。

『…あ、の…リア、食べれるか分かんないですけど』

「いいよ、分かってて提案したんだから。保存が少しきくもんだから、気が向いた時に食べてくれりゃいい」

そういやリアっつったな下の名前。
首領はともかく立原まで名前で呼んでたし…ていうか、その方が本人的にも嬉しいんだっけか?

いや、でもいきなり初対面なはずの俺が下の名前で呼ぶっておかしいだろうし。

「なぁ、お前…白縹っつったか」

『え……あ、はい』

分かりやすいほどに雰囲気が暗くなった。
すんげぇ萎れてる、すんげぇしゅんってしてる。

いやいやいや、無理だろこんな顔させんの、無理だって俺には。

「とりあえずよろしくってことだけどその…なんて呼んだらいい?自分の直属の部下とか持ったことねぇし俺…白縹さん、?」

ちら、とそちらを見ると死ぬほど周りの空気が暗い。
表情には出てないけど。
なんでこんなに分かるのかも不思議な程だが、とにかくお気に召してないのはよく分かる。

『…幹部さんが部下にさん付けとか面白いですね』

「!?あ、あんまり乱暴に呼ばねえ方がいいかと思ってだからな!!?」

『こいつとかそいつとかあれとか散々言ってた人が今更何を』

返す言葉もございません。

『……何でも、いいです』

「何でもって…じゃあ、リア…さん、?」

『…』

物凄く不服そうな目。
ああ、さん付けは嫌なんだったか。

そういや首領がリア君とか白縹君とか言ってるのは聞かなかった…というか、リアちゃんって呼んであげればとかなんとか言ってた気が。

……柄じゃねえ、死ぬほど照れくさい。

「……り、…リア……ちゃん…?」

『へ、…』

あ…???
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