第2章 苦悩の日々
架音side
「おい。架音、そろそろ起きろ。午前の授業終わるぞ。」
「・・・あと5分。」
「此処は家じゃねぇよ。たく、マジでガキの頃と変わらず寝起きの悪い奴。」
「五月蝿いな・・・。寝不足もあるんだから仕方ないでしょう。」
「あのな、保健室は具合の悪い奴が休む場所なんだ。寝不足は自己責任だろう。」
「・・・分かった。今、起きるから・・・。」
俺はそう言ってベッドから起き上がった。
でも、体が怠くて起き上がるのがやっとだった。
「兄ちゃんごめん・・・。体が怠くて起きやがるのがやっとだよ・・・。」
「ん?寝起きが悪いだけじゃないみたいだな。」
「ちょっとね。実は此処に来る前から具合が悪くて・・・。」
「体調悪いって嘘だろう。黄瀬が女とヤってる現場を目撃して口止めにお前もヤられたってとこか?」
「ほぼ正解だけど何でデリカシーのないこと言うの?」
「悪い。体が怠くて起こすのもやっとだって言うからな。そうなんだろうなと思ったら口に出して言ってた。」
「でもね。涼太がモデルなんてやってるからいけないんだよ。体や顔を怪我して撮影や録音が中止になって発売日が延期になったらファンの子たちが悲しむじゃん。だから、暴れて逃げるって選択肢を選べなかったんだ。」
「お前も馬鹿だな。バスケやってるんだから痣くらいは作るだろう。大怪我をしないように体を殴ってやれば良かっただ。」
「それ保健医とは思えない発言だね。」
「お前だから話してるんだ。」