第2章 苦悩の日々
黄瀬side
「・・・(のんに意地悪し過ぎちゃったっすかね。でも、徹底的に嫌われるようにしないとのんの婚約者に申し訳ないっすもんね。」
「ねぇ。リョーちゃん聞いてる?」
「えっ。何っすか?」
「もうちゃんと聞いててよね。私、ブランド物のお財布が欲しいんだけど次のデートで買ってくれないかな?」
「何で俺が冬美ちゃんにそんなものを買わなくちゃいけないんっすか。」
「えっ。普通彼女にそのくらい買ってくれるよね?」
「モデルをやってるからって付き合ってる女にブランドを買い与えるような男じゃないっすよ。大体、冬美ちゃんは俺の本命じゃないんだ。本命以外にブランド物の財布なんて買うわけないっすよ。」
「本命じゃないって私と遊びで付き合ってたってことなの?」
「そうっすよ。今まで気付かないなんて冬美ちゃんの頭って結構おめでたい頭をしてるんっすね。」
「酷い。私と付き合ってるのと同時に本命とも付き合ってたってことなの?」
「そんなの愚問っすよ。本命とも付き合ってたに決まってるじゃないっすか。」
「もうリョーちゃんが女ったらしだってみんなに言いふらしてやるんだからね!!!!」
「ご自由にどうぞ。」
俺がそう言うと冬美ちゃんは行ってしまった。