第3章 愛運の結びまで
しかし、嬉しい反面、心穏やかではない部分も実はあるのだ。
信長が茉莉花と出逢うまでは自分が一番信長の側に付き従い、何から何まで自分が全て行ってきたのに、今では信長の身の回りの事は、当然なのだが茉莉花が行い、少しでも時間に余裕のある時には茉莉花と一緒に過ごしている。
『これは、、、恥ずかしいが、、、、
“嫉妬、、、”
ではないだろうか、、、。』
消え入るような声だが、言葉に出して仕舞えば、心の仕えがスッと降り、納得できたのだ、、、。
自分は死ぬまで、信長様の一番近くに居ると、心に決めていた為、男女間などの嫉妬などではなく、本当に秀吉の心の中には、虚無感がポッカリと浮かんでいる。
女の妬む様な嫉妬の感情ではない、自分から奪われてくやしくて仕方ないとかそんな気持ちではないのだ、、、。
ただ本当に寂しくて仕方ないのだ。
いや、、、。
もちろん、嬉しさもとてもあるのだが、、、。