第3章 愛運の結びまで
翌朝、空が未だ白んでき始めた時分に、茉莉花がふと目覚めると身体が重く感じて身動きが取れない。
不思議に思い、少し首を動かし身動いでいると、自分のお腹辺りに信長の腕がしっかりと回されていた。
『あ、、信長様の腕が、、、。』
それがわかった瞬間、茉莉花は、とても幸せを実感していた。
一人で褥に入った時は、とても寂しく感じていたが、今、こうして自分をすっぽりと抱き締めてくれて信長の体温を背中から身体全てで感じられる。
いつも、、、、、
そう、起きている時も、こうして眠っている時も、いつでも守られている様で胸が幸せで満たされる。
そのままの体勢でも嬉しかったがやっぱり、大好きな信長の顔が見たいと思い、そっと身体を捩ったが
『貴様、、
この俺から逃げようなどとは考えておるまいな?』
そう、後頭から言われ
『あ、、。
信長様。
起こしてしまいましたか?』
『、、、、いや。
貴様、、、。
聞いておることに答えよ、、、。』
『ふふっ、、、、。
信長様の方に身体の向きを変えたくて、、、。』
『、、、、。』
無言で腕を少し上げてくれた信長に茉莉花は身体ごと向きを変え、愛しいその人の胸に顔を埋めぴったりと身体を沿わせ、少しの隙間でも許せないかの様にますます身体を寄せるその様は、あまりに愛おしく、信長の心を満たすのに充分であった。