第3章 愛運の結びまで
と、茉莉花を捕まえようと、手を伸ばし近づこうとしたが、
茉莉花は、その手を避け、スッと一歩大きく後ずさって息を吐き、
『、、、、、、。
それでは、私をここにとどめ置くことは出来ませぬ。
そのくらいお分かりになるはず、、、。
、、、、、それでは、、、私は、信長様の元に戻ります。』
そう言い、茉莉花が歩き出そうとした時
『そう、やすやすと行かせぬ。
せっかく手に入れた大事な駒なのだ。』
そんな言葉を吐くと同時に、バラバラと、按摩師の手下たちが茉莉花を囲み八方を囲まれてしまった。
『痛い目にあいたくなければ、大人しくして居れば良いものを、、、。
ふっ、、、、。
信長の寵愛を受けている女子にしては、聡さに欠けておるのではないか?』
『、、、ふっ、、、。
そうかも知れませぬね、、、。』
と、一つため息の様な息を吐いた時
遠くの方から、数頭の馬が走ってくる音が聞こえてきた。
其方を見ると、真っ直ぐに先頭で信長が向かってきていた。
そうして、あっという間に茉莉花のそばまに駆け寄ったと思った時には、既に茉莉花の手には信長様の愛刀、宗左左文字が握らされていた。
そして、その信長を目で追ったが、信長はその先にいた按摩師と既に対峙している。