第3章 大嫌い!
「おかえり、悠斗くんも一緒なの?」
「う、うん」
「そう言えばテストは?もう結果出たはずよね」
直球…聞くの早いよお母さん……
「どうしたの?あるなら見せなさい」
「はい…」
見せた直後にピリ、とした空気に包まれる。
うわ~絶対に怒ってるじゃん。怖。親怖。
「優…?これはどういうことか説明してくれるかしら?」
なんて言おう。悠斗も何か作戦あるなら早くしてよ!
なんとかこの空気を消し去りたくて、悠斗を腕でつつく。
そこでやっと悠斗が口を開いた。
「おばさん、優に怒る前に良いですか」
「え、えぇ。良いわよ」
「優が赤点取ったのは俺の責任でもあるんで。」
「あら、どうして?」
「テスト前に教えたんすけど、やっぱり俺の説明力不足かなって。なのでこれから俺が教えるんで今日は許してやってください」
「悠斗くんが勉強出来るのは知ってるけど、優の分もなんて大変でしょ?」
「そんなことないですよ、それに俺が優と一緒に勉強したいだけなんで」
ん?
今なんて言った???
「あら~、それなら嬉しいわ。無理のない程度にお願いね」
ちょっと待て~い!なんだ一緒にって!
てか一人ツッコミかよ!説明してくれ!
そんな私の心情も知ってか知らずか、悠斗とお母さんの会話はぽんぽん進んでいく。
そこで悠斗の言葉に混乱している私の脳内に飛び込んできた悠斗の声
「はい!今日からみっちりしばき倒すんで!」
ちょっと待て~い!このツッコミ2回目だよ!しばき倒すって何!?
本当に待ってくれ。雷が落ちなかったのは嬉しいがしばき倒されるのは望んでいない。
先程の悠斗の発言なんて忘れて、今の私はしばき倒されると言う事実に内心泣いていた。