第3章 大嫌い!
「あれ……」
うん…割と出来たと思ったんだけどな…
テストの結果ですか?はい。赤点ですね。
どうしよう。雷、雷が落ちるよ。
……………今日の夕飯あるかな。あと来月のお小遣い。
「おい」
「悠斗、」
「テストは?」
「あ、あのですね…」
「どうせ赤点だろ」
何故わかる。エスパーか。
「なんでわかるのよ…」
「その顔はどう見たって赤点だろ。それに優は点数が良い時は自分から自慢しに来るからな」
「よく知ってんね」
「優の事は俺が1番知ってるんだから当たり前だろ」
なんだそれ。……くそ。
顔が赤くなるのがわかる。悠斗なんかに赤面する自分がなんと言うか、恥ずかしい。
「何赤くなってんの?」
「な、なってない!」
「それよりどうすんの?赤点取るといつもおばさんにこってり絞られてんじゃん」
「それなんだよ…どうしよう……まず今日の夕飯あるかすら定かじゃない…」
「まあ自業自得だよな」
「何よ~、これでも頑張ったのよ」
「本当にどうしよう…下手したら来月のお小遣いも無し…欲しいコスメあるのに」
「…お前は化粧しなくても可愛いだろ」
「え、何?何か言った?」
私の頭上に雷が落ちる想像をしていて聞こえなかった。
「いや、俺にいい考えがあるけどって言っただけ」
「本当!?何よそれ聞かせて」
「とりあえずおばさんとこ行くぞ」
え、なんで今言わないのよ。正直嫌な予感しかしない……
でも真正面から雷落とされに行くよりまだ良いだろう。
雷が落ちないことを祈りながら帰る道は長かった。