第1章 財前光に処女を捧げる
「ひか…る、…ちゅーしたい」
力ない声でそう言ってみるとフッと優しく笑って唇を重ねてきた。
私から舌を絡ませると驚いたように目を一瞬見開いたが今度は互いに激しく舌を絡め合う。漏れ合う呼吸にぴちゃぴちゃと音立てる水音。腰の動きも少しずつ激しいものに変わり、反射的に声も大きくなる。
「あ…、ンッ…あっ…!」
財前の背中に回した手にも自然と力が篭もり、ぐっと爪立てる。財前はそれが甚く気に入ったのか可愛い、可愛いと何度も耳元で囁いてきた。
「もう…、光、無理ぃ…」
絶頂が近いわけではなく、初めての行為で腰が限界を迎えそうになっている私を察して、今度は自身のタイミングで打ち付けてくる。お構いなしの激しさにガクガクと身体が震えだし財前も絶頂が近いのか息遣いが荒々しくなる。
「あ…、あっ…!!!あぁ…!」
「あ、やば…」
寸での所で抜いたつもりのようだったが、どうやら間に合わずに中に少し出てしまった。
きっとこれが何度か繰り返し行われていた行為だったら私も今頃大慌てで財前の事を捲し立てていただろうが生憎呼吸を整えることが精一杯でそんな元気も出ずに頭がボーッとしている。
「なんてな、
けーかくてきはんこーや」
ニヤニヤと笑いながら私を見つめてくる財前を勝手に言ってろと言わんばかりにぐるりと寝返りを打つ。暫くしてようやく働いてきた頭が今日危険日だったか等と色々考え始めサーッと血の気が引いていく。
「てか、ゴム…」
「大丈夫、大丈夫」
「…馬鹿。」
「百合」
「んー?」
「俺、今ほんま幸せや」
甘えるように背後から私を抱き締める財前が
不覚にも可愛いくて、
もう全部どうでも良くなった。