第1章 人生なんてチョロい
恐怖と驚きで僕は足を早めた。なぜ僕は彼にそんなに敵視されていたんだ?僕何もしてないじゃないか!?しかも彼は小宮さんとそうなる前、キチンとした彼女がいたのだ。こないだ付き合って1周年、じゃなかったのか?あんなに教室で皆からPLAZAで買ったようなお菓子を机に並べて貰っていたのに。まさか別れていたのか…?左腹に気持ち悪さを感じているとまた後ろから聞こえてきた。「結局アイツ別れたんだな。あんなにおれの邪魔したのに」「だよな。でもさ、俺あいつが考えてること分かんねぇ。アイツってさ、すごく可愛い女の子が好きって訳でもない。特定のタイプがいる訳でもない。なのになんであんなに色んな子と付き合うんだろう」そう、アイツとは、今俺の目の前にいる彼のことである。ふと、背中に悪寒が走った。