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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第4章 悪魔と、死神と、切り裂きジャック



「(アンダーテイカーさん、理想郷を見る程報酬を頂いたのに…何でも話すって言っていたのに…)」


「確かにマリアンヌの言う通りだね。でもね、これでいいんだよ。これでね。」


アンダーテイカーはクルクルと弄んでいた指をスルリと項の辺りまで滑らせると、そのまま唇を近づけペロリと舐めた。


「(キャッ!!)」


マリアンヌの言う通り、確かに報酬と情報量が合っていないが、あの害獣には以前にマリアンヌの可愛い肌を悪戯されたのだ。

その時の代金を考えれば今回の情報量は妥当と言えるだろう。


「あの執事君には貸しがあるんだよ。だから今回はコレでいいのさ。」


それに、あの害獣のことだ。自分がわざわざ教えてやらなくとも、すぐに別の場所から嗅ぎ付けるだろう。


「(そ、そうなんですか…?)」


「そうそう〜今回はコレでぴったし平等な取引だったさ。」


マリアンヌの顔はシエルの身を案じてか、半信半疑だったが、そんなのはお構いなしだ。
シエルにはあくま(悪魔)で執事がついているのだから。


「さ〜て、マリアンヌ。今日は少し早いけど店じまいにしようか。」


店の扉を開けると、外はもう日が傾きかけていた。
少し早いがアンダーテイカーの言う通り、早目に店じまいにしてもいいだろう。
マリアンヌは店のプレートを「CLOSE」にして扉のカギを閉めた。


すると、背後から勢いよく抱きつかれたと思ったら横抱きに抱き上げられてしまう。


「(ア、アンダーテイカーさん?!)」


「マリアンヌ〜小生はもうクタクタだ。早くベッドに行こうよ〜」


目を白黒させてるマリアンヌにアンダーテイカーは妖しく瞳を輝かせてよく分からない事を言い出した。


「(ま、待ってください!お疲れでしたらすぐにご飯の支度しますので…!)」


「クッキーつまんだから今夜は作らなくていいよ。あとでパンかじってもいいしね。とにかく今は疲れちゃったよ〜ねえ?マリアンヌ〜」


いや、この言い方は疲れて寝込みたいという意味では断じて無いだろう。


せめてもの抵抗に暴れてみせるが、それならばとアンダーテイカーは店のカウンターにマリアンヌを降ろす素振りを見せると、ニヤリと口角を上げた。




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