第4章 悪魔と、死神と、切り裂きジャック
「そんなに暴れないでおくれ〜、そうだね。せっかくだからマリアンヌに選んでもらおうか。」
「(ま、まさか……)」
カウンターにマリアンヌの尻がつくかつかないかの所まで降ろすと、アンダーテイカーはまたも無慈悲な選択を迫った。
「……ココでする?それともベッドでしたい〜?」
「(や、やっぱり……)」
やはり疲れてなどいないではないかとマリアンヌはあいた口が塞がらなかったが、それにしてもなぜまたもその2択なのだ。
もちろん、人体模型とばっちり目のあってしまう店では気味が悪いし、だからといって今からベッドで終わりの見えないアンダーテイカーの欲望の相手になるのも体力面で不安だ。
幸い今は前回と違い身体も濡れていない。風邪を引く心配もないため、マリアンヌは少しばかりの抵抗を試みた。
「(だ、第3の選択肢を所望します……)」
マリアンヌは両手のふさがっているアンダーテイカーに見えるように自分の左手の手のひらを突き出すと、そこに右手で書き綴って見せた。
「ヒッヒッ、マリアンヌは面白い事言うね〜。そこまで言うなら…そうだねぇ……どうしようかなぁ…」
ニヤニヤと楽しそうに考えを巡らせているアンダーテイカーに、マリアンヌは思わずゴクリと唾を飲み込む。
「…決められないのなら両方はどうだい?一石二鳥だよ。」
「(……………?!)」
だからなんでそうなるのだ…それに一石二鳥とはこういう時に使う言葉で合ってるのか?
どちらにしたってこれも却下だ。
「(だ、第4の選択肢を所望します!!!)」
マリアンヌは強気にでたつもりだったが、それがかえってアンダーテイカーの欲望を逆撫でしてしまった様だ。
「我儘なお姫様だ……そうだね…そしたら小生の特別コースにしてあげよう。もうこれ以上の選択肢は受け付けないよ?」
するとアンダーテイカーはマリアンヌをカウンターに降ろすと、自身もその上に上がり、マリアンヌに覆いかぶさってしまった。
「(ま、待って下さい!!選びます!選びますから!)」
「ブ〜、もう時間切れだよ。ヒッヒッヒッ……」
「(あぁ……!い、いやぁ……)」
マリアンヌは完全に墓穴を掘ってしまった。