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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第4章 悪魔と、死神と、切り裂きジャック




「ね、ねぇ…それって皆腎臓が片方無いとかそういうことかい?それなら犯人は金融業とか…」


「窖(あなぐら)に住む中国人は考えが物騒だねぇ、そういうことじゃない。“それ”は娼婦…“女の子”じゃなきゃ持ってないもの…」


すると、アンダーテイカーは後ろからマリアンヌを抱きしめて見せると下腹部の辺りに手を這わせ、ゆっくりと撫でて見せた。


「(キャッ!!)」


「“子宮”がね、ないんだよ…」


「!!!」


「最近急にそういう“お客さん”が増えてねぇ、しかもどんどん血化粧(メイク)は派手になる。小生もマリアンヌも大忙しってワケ…」


「…いくら人通りが少ないとはいえ、素人に可能な犯行だとは思えないのですが…」


「鋭いね〜執事君…」



アンダーテイカーは今度は片手を妖しい手付きでマリアンヌの首元に当てると、ペロリと耳元を舐めて犯行を再現してみせる。



「そうだなぁ、まず…鋭いエモノで首をかき切り、次にここを切り裂いて、大切なものを奪うのさ。「手際の良さ」それから「躊躇いのなさ」から考えてまず素人じゃないね〜多分裏の人間だ。」



「だから僕がやってくるって分かっていたんだな?」


「まぁね、そう言うこと。」


アンダーテイカーはニッと口角を上げた。


「きっとまた殺されるよ、ああいうのはね、誰かが止めるまで止まらないものさ。止められるかい?悪の貴族、ファントムハイヴ伯爵?」


「ハッ、愚問だな。」


そこまで聞くと、シエルは用は済んだとばかりに帰り支度を始める。


「女王の庭を穢す者は、我が紋にかけて例外なく排除する。どんな手段を使ってもだ。邪魔したな、アンダーテイカー…」



「(あっ!待って!シエルさん…)」


マリアンヌは5人を見送るため、一緒に外へ出た。




「(あの、皆様、まだ犯人は捕まっておりませんので、どうかお気をつけて…)」


急いでメモに挨拶文を書くと、それを見せて頭を下げた。


「あぁ、お前も夜は1人で外を出歩くなよ。まぁあの葬儀屋が夜中に出歩かせるような事はしないと思うがな…」





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