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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第4章 悪魔と、死神と、切り裂きジャック




「ありがとうマリアンヌ。さぁマリアンヌもここにお座り。」


アンダーテイカーはいつもの様に自分の膝を指さしたが、さすがにこんな人前で膝元に座るなど恥ずかしい。

マリアンヌは隣にイスを持ってきて腰掛けようとするが、すかさずアンダーテイカーはマリアンヌの両脇に手をすり込ませると、有無を言わさず膝の上に乗せてしまった。


「(キャッ!!)」


「そんなに恥ずかしがらなくていいのに〜」


後ろからマリアンヌの頬をツンツンと突くと、シエルが早く話せとばかりに咳払いをした。








「……娼婦殺しってモノは、昔からちょこちょこあるんだよ。だけど、このシーズンに入ってからの娼婦殺しは異常だね…どんどん手口が派手になってる上に残酷だ。最初はヤードも気づいてなかったみたいだけど、ホワイトチャペルで殺された娼婦達には皆共通点があるんだ……」



「共通点?!」



5人の視線がアンダーテイカーに集中した。



「さてねぇ、なんだろう…なんだろうなぁ、気になるねぇ…」


後ろからマリアンヌを強く抱きしめるとニヤニヤしながら身体を揺らしだした。



「成程ね、そういうことか、葬儀屋は“表の仕事”と言う訳ね。で、いくらなんだい?その情報は?」


「いくら?かい?」


「(あ、あぁ……)」


劉が地雷を踏んでくれたと、マリアンヌは小さくため息をついた。
すると、アンダーテイカーはマリアンヌをイスに座らせると立ち上がり、劉にずずずと詰め寄った。


「小生は女王のコインなんかこれっぽっちも欲しくないのさ。さぁ伯爵…」


今度はシエルだ。


「小生にあれをおくれ……極上の「笑い」を小生におくれ…!!そしたらどんなことでも教えてあげるよ〜!」


ゼェゼェハァハァと興奮しだしてしまった。



「この…変人め…」



「イ〜ヒッヒッ…!!マリアンヌ〜、伯爵は今日はどんな笑いをくれるのかな〜?」


今度はマリアンヌの腰回りにフラフラと抱きつきヨダレを垂らしながら笑いを渇望し始めた。














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