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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第4章 悪魔と、死神と、切り裂きジャック




「あはは〜、でもこんな若くて可愛らしいお嬢さんが裏社会の情報屋なんて驚きだね。君いくつ?藍猫と同じくらいかな?」


この男は猫を愛撫するかのようにマリアンヌの顎を指で厭らしくなでてみせた。


「劉!セクハラはやめなさいよ!そんなことして情報売ってくれなくなっちゃったらどうするのよ!」


「お、奥様〜!!」


赤毛の女が男に掴みかかると、すかさず丸眼鏡をかけた執事がオロオロしながら止めにはいった。


いったい何が起こったのかと呆然としていたら、よく知る気怠い声が聞こえてきた。


「劉、マダム・レッド、その辺にしておけ!」



「(あ、シエルさん、セバスチャンさん……?)」



最後に姿を現したのはシエルとセバスチャンだった。



「御無沙汰しております。マリアンヌさん、葬儀屋さんはいらっしゃいますか?」



「「葬儀屋??」」


先にやってきた2人が声を揃えてセバスチャンに聞き返す。


「ここは坊っちゃんのお知り合いが経営なさっている葬儀屋さんですよ。」


「え?じゃあ君が裏情報を提供してくれるんじゃないの?やだなぁ、人違いか。」



「なによあんた!知らないのに話しかけてたの?!」


「はぁ…コイツはマリアンヌ。ここの葬儀屋の居候だ。口がきけないから会話は筆談だぞ。裏情報を持ってるヤツはこの店の中にいる。」


なんだか騒がしい御一行だが、この様子だとアンダーテイカーはシエルが来る事が分かっていたのだろう。


「(どうぞ、お入りください……)」


マリアンヌは箒を店の外壁に立てかけると、扉をあけて5人を招き入れた。



「いるか、アンダーテイカー。」



シエルは勝手知ったる他人の家のようにずがずかと入っていくが、肝心のアンダーテイカーの姿が見当たらない。




「…ヒッヒッ…そろそろ来る頃だと思ってたよ……」



どかこらか聞こえてくる怪しい声。



「はぁ……」



シエルはまたかと言いたげな顔で辺りを見渡した。



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