第3章 「DNH企画」死神とハニーソルト
「ほら〜、早く決めないと、小生ここで食べちゃうよ。」
ニタリと笑いながらマリアンヌの耳元に舌を這わせると、アンダーテイカーの背後から思わぬものが目に飛び込んできた。
「(ヒャッ!!!)」
十分に温まったはずの身体が一瞬凍りついたような錯覚に陥ってしまう。
マリアンヌの目に飛び込んできた物。
それは、アンダーテイカー“お気に入り”の人体模型だった。
ツルツルの肌にテカテカの五分刈り風の髪。
半分は皮膚があり、半分には皮膚がない。
そして腹部は内臓が丸見えだ。
この店にはイギリス文化からかけ離れた骨董品はもちろん、気味の悪い物も沢山ある。
中でもずば抜けてマリアンヌが気味悪がったのはこの人体模型だ。
今でこそ話し相手はマリアンヌが中心だが、この店にきた当初、アンダーテイカーはよく人体模型に話しかけていたり、ウロウロと持ち歩いたりしていた。
「(ヒィィ…こっち見ないでぇ……)」
割り入れられた膝で敏感になっている花芯を刺激され、耳元を舌で愛撫されてしまえば、マリアンヌの身体は自然とアンダーテイカーを受け入れるために、下半身の最奥を潤ませ始めるが、こんな気味の悪い視線に見つめられてしまうと、何がなんでもここから離れたい。
マリアンヌは思いっきりアンダーテイカーの肩を叩きブンブンと顔を振って見せると、必死に人体模型を指差して、ここでは嫌だと訴えた。
「ん?あぁ、人体模型君か、店に置いてくるの忘れちゃったよ。」
マリアンヌの訴えに身体を起こして振り返ると、なんてことないような口調で話す。
「(こ、ここでは嫌です!)」
「そうか、マリアンヌは人体模型君に見られるのが恥ずかしいんだね〜小生は別に平気なんだけどな。」
「(………そ、そうではなくて…)」
何故そうなるのだ…
アンダーテイカーの勝手な解釈に色々と突っ込みたいが、一先ず分かってくれたのだろうか、マリアンヌを抱き起こす。
「それじゃベッドまで行こう〜」
すると、身体を拭かぬままマリアンヌを横抱きにすると、お互い全裸でびしょ濡れのままアンダーテイカーは脱衣所をでて寝室まで走り出してしまった。