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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第17章 最終章・君は小生の宝物





すると、上空から鳥の羽ばたく音が聞こえてくる。




ーバサバサッー




「(キャッ!!!)」



羽音の主は急降下すると、マリアンヌの膝の上にちょこんと下り立った。



「(あっ!!ビャク?!)」



『クルルルル!!』



「おや、ビャク、ナイスタイミングだね〜マリアンヌが目を覚ましたよ。」



ビャクは意識を取り戻したマリアンヌの姿を見ると少し興奮気味に羽をばたつかせた。



「(心配かけてごめんねビャク…元気にしていたかしら?……あら?)」



元気に羽をバタつかせているビャクだが、マリアンヌの記憶の中にあるビャクとは少し違っていた。



「(ビャク……)」



羽の艶がなくなり、年を取ったように見えたのだ。


そこでマリアンヌは、再度アンダーテイカーに問いかけた。



「(アンダーテイカーさん…私はいったいどれだけの間眠っていたのですか?)」



すると、アンダーテイカーはマリアンヌの頭を撫でながら答える。







「10年だよ。」








「(え……?!)」







10年……


そんな長い間、自分は眠っていたのか。

ビャクが年をとった様に見えるのも当たり前だ。

ビャクが年をとったのであれば自分も同じだろう。

10年眠っていたのであればもう自分は28だ。

アンダーテイカーはかわらず美しいが、自分はいったいどんな風に変わり果ててしまったのだろうか。

胸の奥がズキズキと痛みだす。



「ん?どうしたんだい…?」


表情がどんどん曇っていくマリアンヌの顔を心配そうに覗き込む。


「(10年もたっていたなんて信じられなくて…私…もう18歳じゃないんですね…一気に年をとってしまって…複雑です…)」



「ヒッヒッ…マリアンヌは何も心配する事ないよ?ホラ、これを見てごらん?」



「(…!?)」



アンダーテイカーはポケットから小さな鏡を取り出すと、マリアンヌの顔の前に出してやった。


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