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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第17章 最終章・君は小生の宝物






「(アンダーテイカーさん…私ってもしかして、大怪我をして一度死んだのですか?私はビザール・ドールになったのでしょうか…?)」



アンダーテイカーはずっと自分に何かあった時のために研究をしていた。だが、あの時あの時点では死者蘇生はまだ研究段階だった。


そのため、マリアンヌは自分はビザール・ドールになってしまったのかと思ってしまった様だ。



「ううん、違うよ。マリアンヌはビザール・ドールじゃない。今もちゃんと生きた人間だ。でも…あの時は本当に危険だった。深い傷を負い、出血したマリアンヌに小生はすぐに延命処置を施そうとしたんだけど……まぁそこから色々と運命的な事が起こったんだ。」




「(運命的な…事ですか?)」



「そう、実に衝撃的で運命的な事が起こった。」



アンダーテイカーは柔らかい笑みでマリアンヌを見つめると、話を続けた。



「まず、君の声を聞いたんだ。」



「(私の…声を…ですか?)」



「うん、君と初めて出会った時に聞いた時と同じ…死にたくないという…魂の叫びをね。」



「(……………)」



「すると、マリアンヌの魂は、呼吸が短く浅くなっていった身体に溶け込み、融合し、1つになった。魂は簡単に説明すると肉体という入れ物にしまってあるモノなんだ。肉体に溶け込んで融合することなんてまずありえない。でも…それが実際に君の身体で起こったんだ。」



「(私の身体に魂が溶け込んだ…ですか…?)」



「そう、魂が肉体から離れないから、当然デスサイズで刈り取る事もできない。まぁこれは小生の仮説だけど、君は肉体と魂の融合で死ぬ事はなくなった。でも、その身体に負った傷が回復するには時間がかかった…って、こんなところかな。少しずつ傷も癒えて、身体の機能も回復してきたからそろそろ目覚める頃だろうと思って、今はちょっと旅行に出ていたんだよ。」



そう言って周りを見るように目配せをする。



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