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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第16章 それぞれの真実





「3年前の冬、マリアンヌを見つけた時、小生はデスサイズの力を使って君の過去を見たと…そう言ったよね?」



「(は、はい……)」



「君の人生は、おそらく本来ならあそこで幕を下ろしている筈だったんだ。シネマティックレコードは、君が倒れている所でENDマークが出てきたからね…」



「(…えぇ?!)」



「小生もそれを見た瞬間はここで終わりなのかと、単純にそう思った。でも小生には聞えたんだ…“死にたくない”と叫ぶ君の声がね…気を失っていたから直接口から発せられた言葉ではなかったと思うよ。小生の頭の中に直接響いたんだ…そしたら不思議な事にシネマティックレコードのENDマークは消えて、その後マリアンヌは目を覚ました。」



「(そ、そんな事って…)」


シネマティックレコードのENDマークを消したなど、全くもって自覚はなかったし、勿論記憶もない。
マリアンヌはアンダーテイカーの話に只々驚くばかりだ。



「その時小生は現役の死神の気配を感じなかったから、君がリストに載っていたとは思ってなかったんだけど、あの死神クンがあぁ言っているなら、あの時の君はリストに載っていたのに、突如消えてしまった事になる。そんなコトは前代未聞だからね。本当だとしたなら当時は大騒ぎになっただろう…」




「ちょっと!こっち無視して何コソコソ話してるのヨ!!ロナルド?!リストから消えた女は本当にこの女で間違いないのね?死神のクセにこの世の理(ことわり)を歪ますモン作り出して、その上側にいる女は魂回収リストから突如消えた…ますます見逃せないワ!!」



「間違いないっスよ!リストから消えただけじゃなくて、管理課や総務課のデータからも消えちゃってましたからね!でも女の子の顔と名前は忘れない俺の頭の中までは消せなかったみたいっスよ。海水かぶったらあんのクソ寒い日の事思い出しました。」



「ハン、ロナルドの女好きがこんな所で役立つとわね…まぁイイワ…とっとと捕まえてウィルに報告よ!!」



「ッスね!!」



現役死神チームはマリアンヌがリストから消えたのもアンダーテイカーの仕業だと勘違いしている。


2人まとめて捕まえるつもりらしく、狙いは手負いのセバスチャンを無視してアンダーテイカーとマリアンヌに絞り込んだ様だ。




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