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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第16章 それぞれの真実





冷たい水……


冷たい雨……


寒い……


冬の日……





頭から海水をかぶり、寒さで震えたロナルドが思い出した事……



「先輩!!先輩!!思い出した!!あの離脱組のオッサンが抱いてる女の子、3年前魂回収リストから消えた女の子だ。」


「はぁ!?!」


「マリアンヌって呼ばれてたからソレが邪魔して思い出せなかった!あの子の本当の名前は…サラ・トレースだ!!!」




「(…え……どうして……)」



どうしてロナルドが自分の本名を知っているのだ。

自分は戸籍登録されているのかも不明な人間だ。

それにサラ・トレースという名前が使われていたのは自分がこの世に生まれた日からわずか3年程だ。

娼館で働かされる様になってからはマリアンヌはジゼルと呼ばれていた。

本名を知っている者は、まだ生きているのか不明なあの領主夫婦か、アンダーテイカーくらいだ。


それを何故ロナルドが知っている。



「………チッ…やっぱりマリアンヌはリストに載っていたのか…」



アンダーテイカーにとってはあの時マリアンヌがリストに載っていたか載っていなかったなどは関係ない。

今自分の元で生きて側にいてくれる。それだけで十分なのだ。




だがロナルドはリストから消えたと言っていた。あの時の状況を考えると、やはりマリアンヌは自身の生きたいという意志の力のみで自らENDマークを消した様だ。


魂回収リストに載っていたのだとしたら、おのずとリストの記載が消えていてもおかしくない。


しかし、何故このタイミングで思い出す。


余計な事をとアンダーテイカーは盛大に舌打ちをした。



「(アンダーテイカーさん…どうしてあの人は私の本名を知っているのですか…?)」



「マリアンヌ……隠すつもりはなかったんだけど…マリアンヌには話してない事が1つあったんだ。」



「(……え!?)」



この口ぶりからアンダーテイカーは何か知っている様だ。マリアンヌはアンダーテイカーの目を見つめて続きが語られるのをじっと待った。



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