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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第16章 それぞれの真実





「成程、デスサイズが複数存在する時点でなんでも切れるという謳い文句は偽りですね…」



「引退時に絶対回収されるんじゃ……」



「長いこと一緒にやってきたから離れがたくてねェ、持ち出すのに苦労したよ〜」




アンダーテイカーは大鎌を優しく撫でながら飄々と呟く。

この髑髏があしらわれた不気味極まりない大鎌は長年アンダーテイカーと共に魂を刈り取ってきた、いわば相棒。


“苦労して”でも持ち出したかったモノだ。


敵の排除に力をかしてくれるこの相棒を労うかの様に撫でると、アンダーテイカーは不敵な笑みでグレル達に宣言をする。



「さぁ…今度は小生が君らを狩ってみせようか?競技狩猟(ハンティング)の哀れな兎のように……」



大鎌を振り上げ、形勢逆転とばかりにまずはロナルド達に向かって勢い良く振り下ろす。




「ヤ、ヤバイッスよ先輩…!」


「わ、分かってるワヨ!!」



ードォォォン!!!ー



血だらけになりながらもなんとか立ち上がり斬撃を避けるが、ラウンジの柱が見事に折れてしまい、フロアは大きく揺れ2階のテーブルやイスが雪崩のように落下してきた。





「…うあ……!!」


「(きゃっ!キャア!!!)」




アンダーテイカーの攻撃で大きく揺れると、マリアンヌとシエルもバランスを崩して大きくよろけてしまう。



「ック……ホラ、しっかりしろ!!」


「(あ、あの…??)」



アンダーテイカーの正体に、マリアンヌを敵視したシエルだったが、マリアンヌの主張に反論する事ができなかった。

話は濁したままでなんとも不快な気分だったが、シエルも英国人。

目の前にフラついた女がいればそれを放っておく訳にもいかない。


シエルは苛立ちをあらわにしながらも、マリアンヌの肩を掴み自身の方に抱き寄せた。



しかし、マリアンヌを抱き寄せると、先程挫(くじ)いた脚に痛みが走る。



「うっ………」



「(シ、シエルさん…??)」



「煩い!何でもない!!」




だが、それを悟られまいとシエルは鋭く睨み一喝した。





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