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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第16章 それぞれの真実








グラグラと揺れるカンパニア号。

ただでさえ氷山にぶつかり沈没寸前なのだ。

そんな所にアンダーテイカーが大鎌をふるい斬撃を飛ばせば、ラウンジの柱や2階の柵は簡単に砕けて様々な物が落ちてくる。




そこでセバスチャンは落ちてくるテーブルを次から次へと手に取りアンダーテイカーに投げ飛ばす。

先程の斬撃の威力をみれはこんなのはなんの攻撃にもならない。




「無駄だよ…テーブルを切るのなんてクッキーを割るのと変わらない!!………!!」




こんな物、陽動にもなりやしない。


右に左にと大鎌を振りいとも簡単にテーブルを切り刻むが、今さっきまで自身に向かってテーブルを投げつけていた害獣の姿が消えた。


どこに行った……


アンダーテイカーは鋭い視線でクルリと周りを見ると背後から忍び寄り飛び込んでくる真っ黒な影。



「リーチの広い大鎌の懐に入りたかっただけです!」



「……フッ…」



害獣風情が…忌々しい。



「面白い事考えるねェ〜執事くん〜、なら……」



アンダーテイカーは大鎌を持ったまま軽快にバック転をして、セバスチャンと距離をとると、そのまま宙返りをして、シエルとマリアンヌがいるフロア中央の階段の踊り場に降り立つ。

そしてマリアンヌの肩を抱いていたシエルを無理矢理引き離すと、その胸ぐらを容赦なく掴んだ。



そっちが懐に飛び込んでくるのならこっちも同じ手を使うまで。

この害獣の懐といえばシエルだ。



アンダーテイカーはシエルの胸ぐらを掴むと、不敵に微笑みながらも冷ややかな忠告をその耳元に囁く。




「ごめんよ伯爵……マリアンヌは小生の大切な宝物なんだ…気軽に触れてもらっては困るよ…?」




ーグゥゥゥゥゥ…!!!!ー




シエルのピンチ。

セバスチャンは赤く目を光らせ害獣という呼び名に相応しい程の禍々しいオーラを放ちながらアンダーテイカーに向かって行った。



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