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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第16章 それぞれの真実





背後から勢い良くデスサイズを振り下ろすと、クルリと振り向いたアンダーテイカーはニッと口角を上げながら持っていた卒塔婆で2人分のデスサイズを受け止める。





ーガキィィィィン!!!ー




激しくぶつかり合う金属音の様な音がフロアに響き渡ったが、アンダーテイカーの持っている薄い木の板はけたたましい鳴き声を上げるデスサイズを受け止めビクともしない。



何故だ。




「ありえない!!デスサイズに切れないモノなんてないハズ…なのに…なんで受けてられんの?!」




ーデスサイズに切れないモノはないー


そう、これは死神派遣協会に所属する死神達が必ず最初に習う言葉だ。

デスサイズに切れないモノはない。

魂を狩る道具ではあるが、人間だって、悪魔だって切れる。


こんな薄い板1枚切れないわけがない。


アンダーテイカーは戸惑うグレルとロナルドに向かって、面白可笑しく言ってみせる。



「なんでも切れるデスサイズ…か。君はその謳い文句、奇怪(おか)しいと思わないかい?」



「!?」



「ま、小生にとっちゃ可笑しくもなんともないんだけどねぇ〜…1つだけあるだろう?切れないモノ…」



「ま、まさか……ッ?!」



火花を散らしているデスサイズの間からアンダーテイカーの黄緑色の瞳が妖しく光り2人を見据える。



たった1つだけある、切れないモノ。



その言葉にロナルドが勘づくが、時既に遅し。




「ハァッ!!!!」




力一杯振り上げた卒塔婆から黄緑色の光が放たれると、グレルとロナルドは血飛沫を上げ吹き飛ばされてしまった。


虚しくも床に叩き落とされる2人。


「うぅ…いったいワネ……」


何が起こったのかすぐに理解できなかったグレルは、よろけながらもなんとか身体を起こすが、目に飛び込んできたのはありえない光景だった。



「あ、あれは…まさか……デスサイズ!!!」



アンダーテイカーが持っていた卒塔婆は、髑髏の付いた大鎌へと変化していたのだ。




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