• テキストサイズ

君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第16章 それぞれの真実





「(シエルさんだって同じじゃないんですか?セバスチャンさんとの契約の内容までは知りません。ですが、彼を召喚できたのには、少なからず私と似たような境遇にあったからではないのですか?それに、貴方はヴィクトリア女王の元で、“女王の番犬”として、裏で数多くの人間を無き者にしてきた筈です。シエルさんにも伯爵としての立場やファントムハイヴ家にかせられた使命など、色々おありだと思います。そんな貴方が、アンダーテイカーさんを避難する事は、果たして正しい事なのでしょうか…?)」



「マリアンヌ……」



涙を流し、息を上げながら声なき声で叫ぶマリアンヌ。

化け物と人間を殺し合わせるなど決して肯定できるものではない。

だが、人間だってさして変わらない。

マリアンヌの言う通り…

簡単に人間は人間を傷つけ、殺し合い、裏切り、また殺し合う。

どの世界の歴史を学んだ所で、いつだってその繰り返しだ。

シエルはその真っ直ぐな正論に、何も返せなかった。






────────────────



「ほらほらどうしたんだ〜い?3人がかりでそんなものなのかねぇ?小生を狩るんだろ?ヒッヒッ……」



バトル組はいまだ混戦状態だったが、戦況はアンダーテイカーが優勢だ。

余裕の笑みを全く崩さない。



「マッジでムカツクんスけど…」


ロナルドは放り投げられた眼鏡を拾いかけ直すと、イライラと怒りの炎を滾らせる。


「急ぐワヨ、船が大分傾いてる。もう時間がないワ!!」


「……っスね。」



カンパニア号が巨大な氷山に衝突してからだいぶ時間がたつ。もう沈没までそんなに時間はかからないだろう。



中々に手こずらせてくれるアンダーテイカーだが、現役死神チームは2人。

できる作戦と言えばもう力技しかない。




「もうなりふり構っていらんない!!」


「真っ向勝負しかないっスね!!」




2人は自慢のデスサイズを唸らせアンダーテイカーに飛びかかった。




/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp