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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第15章 その瞳の燐光





「永遠を手にした者が背徳と退廃美によって支配する!その名も…暁(アウローラ)帝国!!」


ドルイットは自信満々にポーズを決めるが、マリアンヌには全く言ってる事が理解ができず、軽く寒気を覚えた。


背徳と退廃美で支配するとは一体どういう意味だ。
この男の美意識を理解できる日はきっと永遠にこないだろう。


寒気を覚えたマリアンヌは、羽織っていたコートの襟元をギュッと掴みながら冷たい視線でドルイットを見つめた。



すると…



「なんかややこしいカンジっすね!!」


「あんな奴、アタシがすぐに真っ赤に!」



「(あ、あれは……)」


リアンを追ってきたのだろうか…

上を見上げると、もう2度と会いたくないと思っていた姿を見つけた。



グレル・サトクリフと、ロナルド・ノックスだ。



「(やっぱり彼も……)」



カンパニア号出航の時に言葉を交わしたあの軟派な男。グレルと一緒にいるという事は、やはり現役の死神。マリアンヌの予感は悪い方に当たってしまった。




「ん…?あれ?!」




すると、ロナルドは、自身を凝視する視線に気付く。

その自身を凝視していた人物は、カンパニア号に乗る間際に出会った“どこかで会った様な気がする女”だった。

リストに載ってなかったため、生きていても不思議ではない。

しかし、再びマリアンヌの顔を見ても何も思い出す事ができなかった。


「アン?どうしたのよ。」


「あ…いや…あそこにいる女の子、どこかで会った事ある様な気がするんスけど、ずっと思い出せなくて。」


「女好きのアンタにしては珍しいわね。でも今はそれどころじゃないわよ!!さっさとアイツを!!」


ロナルドの女の話など後回し。

そう判断したグレルがチェーンソー型のデスサイズを振り上げようとした時だった。



「おっと!!この装置がどうなってもいいのかね?」



ドルイットは勝ち誇った笑みで装置に持っていたワイングラスを傾けた。



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