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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第15章 その瞳の燐光






「アンダーテイカー!?お前、何をしている?」



「やぁ〜、逃げる途中でコレ運ぶの手伝えって言われちゃってさぁ〜そしたら伯爵がまた“フェニックス”って…グヒヒヒ……」


「今すぐ忘れろ!!」


シエルはこの怪しい装置の後ろを担ぎながら歩いていたアンダーテイカーに声をかけたが、余計なモノまで見られてしまった様だ。


「それよりお前、コレの使い方しらないか?」


ドルイットには聞こえないような小さな声で問いかけられたアンダーテイカー。


「さぁ〜?こんな物、なんの役にたつんだろうねェ?」


アンダーテイカーはこの装置がどんな物でどんな結果をもたらすのかを全て知っている。

しかし、ここでネタばらしをしてしまっては、面白さは半減だ。そのため適当な返事で誤魔化した。


「マリアンヌ…お前も知らないのか?」


アンダーテイカーのすぐ側にいたマリアンヌをチラリと見るシエル。


「(………!!!!)」


ダメ元で聞いてみたが、やはり予想通り。

両手を前に出し、ブンブンと振られてしまった。



「……チッ。」



こうなれば、本当にドルイットがこの装置を機動させるまで待たなければならない。

1分でも時間が惜しい中、それは非常に焦れったさを駆り立てた。



ドルイット一行はカンパニア号の1等旅客ラウンジまでくると、豪華な階段の中央の踊り場にその装置を置かせた。



「慎重に頼むよ。君らの命より価値があるんだ。」


「起動するのか?」


「まだだ…まだ、キャストが足りない。」


「?キャスト?」


この非常時に何を言っているんだ。


しかし、ラウンジの上階から危機迫る声が聞こえてきた。



「き、貴様!!!何故装置を!!」



声の主は先程行方を見失ってしまったリアンの姿。



「やぁリアン、君を待っていたよ。今日君の築いた帝国がポンペイの様に一夜にして滅び、私の新たなる帝国画生まれる記念日だ!」


「え?」


「私はこの装置の力によって…新しい帝国を創造する!!」


なんだかよく分からない展開にマリアンヌの顔は引きつる一方だが、アンダーテイカーを見れば、腹を抱えながら爆笑するのを必死に我慢している様子。


いったい何が起こるのだろうか…


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