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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第14章 アウローラ学会





「さぁ!甦れ!不死鳥(フェニックス)のごとく!!!」


リアンが叫ぶ様に呼びかけると、その声が聞こえたかの様に白い手がスッと上がった。



「ご覧下さい!!我々の医学は死をも克服できるのです!!」


すると会場内は一気に歓声が上がり、拍手がなる。


「これが“完全救済”です!!」





「マギー!!あぁ…マギー!!」


「先生!!ありがとうございます!!」




マーガレットの両親も涙を流しリアンに感謝の言葉を述べる。



しかし、なんだか様子がおかしい。



「(ちょっと…待って……)」



「あなたさえ生きていてくれたらお母……」



この両親は本当に生き還ったのだと信じて疑わず泣きながら愛娘を抱きしめるが、マリアンヌはその女が不気味に口を大きく開けるのが目に入ると、背筋がゾクリと凍りついた。




ーゴリッー



「きゃあああああ!?マッ、マギーどうした…の!?」



女は目の前の人物が、愛していた母親だと認識すらせず、大口をあけるとなんの躊躇いもなく首元の急所に噛みつき骨をも噛み砕いた。




「「「ぎゃあああああ!!!」」」



肉と骨が噛み砕かれるおぞましい音に真っ赤な血飛沫。

会場に集った参加者達はパニックを起こし我先にと逃げて行く。



「(ヒッ……!!)」



マリアンヌはこうなる事を聞かされていたが見るのは初めてだ。声なき悲鳴を上げると、遠目からシエルの声が聞こえてきた。



「セバスチャン!!!」



「イエス・マイロード!」



逃げて行く参加者に逆らうように2人は動く死体に向かって行く。

残念ながらマーガレットの両親は息絶えていたが、そんな事に構う前にこの動く死体をどうにかしなければ。

セバスチャンはお得意のシルバー攻撃で彼女の心臓を刺し貫いたのだが、マーガレットは立ち上がり、今度はシエル達めがけて襲いかかってきた。


「なっ…?!こいつは一体…」


「申し訳ございませんが…私には解りかねる存在です。」









「マリアンヌ…今のうちに一旦ずらかるよ…」


「(は、はい…!!)」



苦戦している彼らを無視し、アンダーテイカーとマリアンヌは逃げ惑う人間に紛れながら会場を後にした。





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