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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第14章 アウローラ学会







「あ…あれは…ドルイット子爵!?何故ここに…」


「そういえば、彼は医師免許をお持ちでしたね。」







すると、ドルイットは新顔のセバスチャンに気付くと真っ先に向かってきた。








「おや、君は初心者君かい?」


「ええ…新聞の記事を拝見しまして。」


「オーウ…サミエル夫人の口の軽さにも困ったものだよ。我々の秘密をアッサリークしてしまうとは……ん、おや……」


セバスチャンが受け答えをしている間にその小さな身を彼の背に隠すが、守備範囲バリ広のドルイットには無駄な行為だった様だ。


「君、どこかでお会いした事があるかな?」


いともあっさりと見つかってしまった。


「い、いえ!!!間違いなく…間違いなく!!初対面です!!!」


シエルは切り裂きジャック事件の時のトラウマを思い出すと、冷や汗をかきながら精一杯の否定をする。






「マリアンヌ…さ、今のうちにずらかろう…」


「(は…はい…)」


セバスチャンへの恨みもあり、情報の安売りをしたくなかったアンダーテイカーは、シエルがドルイットに捕まっている間に会場の隅の方へマリアンヌを連れて行った。





すると、会場で談笑をしていた会員たちが一斉に入り口を見出した。


4人の男が棺を抱えて入場してきたのだ。


「やっと始まるみたいだね…」


「(えと…あれは……)」



マリアンヌは真っ白な白衣を着用し、軽く右手を上げながら会場中央にやってきた男を見ると、アンダーテイカーを見やりながら小さく指をさす。


「あぁ、やっと創立者のお出ましだ。」


それは、アウローラ学会の創立者であり、時折アンダーテイカーの店に訪ねてきていた男、リアン・ストーカーだった。




「………」




会場の中央で皆の注目が集まると、リアンは静かに口を開く。



「完全なる胸の炎は何者にも消せやしない…我ら…フェニックス!!!」



「(キャッ……!!!)」



例の挨拶と同時にキレの良すぎるフェニックスポーズ。勢い余り天井を見上げるリアン。



その迫力にマリアンヌは小さく悲鳴を上げた。




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