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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第12章 ヤブレ血マミレ処女航海、いざ出航





「(あ、あ、あ、アンダーテイカーさん…)」


仰向けになってるマリアンヌの顔を覗き込む様に身をかがめているアンダーテイカー。


そしてダークグレーに細いストライプの入ったタキシードを着て現れた美しい死神がマリアンヌの視界に飛び込んできた。

長い銀髪は後ろで綺麗に結われていて、複数のピアスがついてる耳があらわになっている。

マリアンヌはそのまさかの不意打ちに目を見開いて驚愕してしまった。


「ん?いったいどうしたんだい…?」


普段のゆったりとした服で飄々としている姿でさえ妖艶なオーラが滲み出ているのに、こんな正装をした姿で視界に飛び込まれた日にはもう昇天寸前だ。


しかも、アンダーテイカーはまったくの無自覚ときている。

マリアンヌは自分の事を美しいだとか言う前に、まずアンダーテイカー自身のこの妖艶な色気を自覚してもらいたいと、叫べるものなら叫びたかった。


「(あ、あの…えと…あ、あぁ…うっ!!)」


「ん??」


ドキドキと心臓が破裂してしまいそうにまで高鳴ると、マリアンヌは顔の中心に熱が集中する様な感覚に襲われ思わず口元を覆い勢い良く飛び起きた。

勢い良く起き上がったため、頭がぶつかりそうになったが、アンダーテイカーはすんでの所でよけると息を上げてるマリアンヌと目が合う。


するとマリアンヌは口元に当ててた手を離し、自身の手のひらに何も付いていない事を確認すると、今度はアンダーテイカーの手を取り、一心不乱に書き殴った。


「(ア、アンダーテイカーさん!!いきなりそんな格好で現れないで下さい!ひとこと言って下さいよ!!も、もう…私…なんか…なんか…鼻血が出たのかと…)」


「えぇ?なんでだい…?」


「(そ、その…アンダーテイカーさんがカッコ良すぎなんです…ずるいです…私の事を言う前に少しはご自身の事自覚して下さい…こんな不意打ち…ヒドイです…)」


「………」


一瞬キョトンとしたアンダーテイカーだったが、大真面目に訴えるマリアンヌが余程面白かったのか、盛大に吹き出してしまった。



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