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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第12章 ヤブレ血マミレ処女航海、いざ出航




いや…絶対に違うだろう…


とマリアンヌは思う。


この部屋は“そんなとこ”な人物に用意される様な部屋ではない。

だが、アンダーテイカーが自分に謙遜をしている様にも見えない。
という事は、重役にも関わらず本当に自身の立場を“そんなとこ”だと思っているのだろう。


アンダーテイカーらしいと言えばアンダーテイカーらしい。



「マリアンヌ?鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をしているよ?」



「(え!?あ、す、すみません!!)」



「ほら、立ってないで中に入ろう。ちゃんと荷物も運ばれているよ。ラウンジにはどれを着ていこうかね〜」


アンダーテイカーは運ばれていた荷物の荷解きをすると、マリアンヌのドレスを1枚1枚広げながら楽しそうに選んでいった。










「ほら、できたよ〜」



マリアンヌはクリーム色の布地に淡いピンクの薔薇の花模様のはいった詰め襟のドレスに着替えさせられ、髪はサイドの髪を少し残してキレイな夜会巻きに仕上げられた。

ドレスは下に着用したパニエによってスカートは足首までふんわりとしている。少し歩けば3段に重ねられた豪華なレースが揺れて、より一層マリアンヌを華やかに演出してくれる。



「美しいレディの完成だ。」


「(アンダーテイカーさん…)」


恥ずかしくなる様な台詞をなんの躊躇もなく囁くアンダーテイカーにマリアンヌはいつも心乱されてしまう。でも本人にはそんな自覚などまったく無しだ。


「部屋から出たら小生の側を離れちゃイケナイよ。マリアンヌの美しさに気をおかしくした連中に攫われたりでもしたら大変だからね?」


アンダーテイカーは恥ずかしがるマリアンヌの腰に腕をまわして抱き寄せると、触れるだけのキスをする。



「愛しているよマリアンヌ…マリアンヌの美しさに目が眩むのは小生が1番だね…」



「(あ、アンダーテイカーさん……)」



アンダーテイカーはそのままマリアンヌを横抱きにすると、そっとベッドに降ろした。



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