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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第12章 ヤブレ血マミレ処女航海、いざ出航




「(わぁ……!!!すごい!!)」


マリアンヌは船内に入ると、その豪華絢爛な造りに目を輝かせた。


「ヒッヒッ…どうだい?気に入ったかい?」



「(こ、こんなお城みたいなのが船だなんて…私、信じられません。それに、海の上なのに、レストランがあったり、ラウンジがあったり、それにお風呂まで……信じられません!!)」



「気に入った様で安心したよ。デッキはまだ混んでるから後で空いたら出てみよう。そしたら着替えてラウンジにでも行くかい?」


「(は、はい!!)」


マリアンヌはドキドキと胸を高鳴らせると、アンダーテイカーの手を取り部屋まで向かっていった。









「(わ!わぁ!!!あ、あ、アンダーテイカーさん?ここ…ここって……)」


部屋の扉を開けると、マリアンヌは船内に入ってきた時と同様に目眩を起こし驚愕している。
アンダーテイカーからして見れば面白いくらいの素直な反応だ。


「ヒッヒッ…いい反応だねぇ。ここが小生とマリアンヌが泊まる部屋だよ。1等のスイートだ。学会も気が利くじゃないか。」



気が利く??

マリアンヌは耳を疑った。

自分の視力が正常なら目の前に映っている物は、天蓋付きの大きなベッドに革張りの立派なソファセット。

窓からは美しい大海原が見渡せて、天井にはキラキラと輝くシャンデリア。

もう気を利かせるレベルの部屋ではない。

アンダーテイカーは、カルンスタイン病院の上層部で秘密裏に立ち上げられたアウローラ学会を“隠れ蓑”にして研究をしていると言ったが、これが隠れ蓑にしている人物にあてがわれる部屋なのだろうか?

あまり無粋な事は聞くつもりなかったが、思わずアンダーテイカーの手を取ってしまった。


「(こんな部屋をとって下さるなんて…アンダーテイカーさんはアウローラ学会でどれ程の重役なんですか???)」


「え〜?重役なんかじゃないよ。んー、そうだね…顧問とか、監督とか…そんなとこかな?」


「(???)」


返ってきたきた答えが理解できずにマリアンヌはポカンとしてしまう。




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