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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第11章 死神アンダーテイカーの裏の裏





「小生の研究はまだ完成していない。だから今回の実験で使われる“ソレ”は非常に危険だ。だから最初はマリアンヌを置いていこうと思ってたんだけどね…その研究を買いたいと言ったオシリスという企業は、まぁこんな事を考えるくらいだ…決してカタギな連中ではない上にこの企業自体もおそらくダミーで使っている社名だ。だから、もし小生のまわりを嗅ぎ回られていたりしたら逆に君を置いていくのは危険な気がしてね。」




「(アンダーテイカーさん……)」




アンダーテイカーの研究。

アンダーテイカーが利用している大きな組織。

それを悪用しようとしているオシリスという企業。



そして4月の集会に隠された残虐極まりない実験。




アンダーテイカーはできる事ならこんな事を話したくなかった。
でも、長くこの世に存在し続けなければならないアンダーテイカーにとっては、もう“別れ”の日々とは縁を切りたかった。

そのためにもどうしてもなし得たい研究だったのだ。




マリアンヌは少し戸惑った。

アンダーテイカーがしていた研究。

そしてその研究をする目的に自分が深く関わっていた事。

それにアンダーテイカーが直接手をくだした訳ではないが、その裏の実験で大勢の命が消え失せるであろう事。



「(………)」


マリアンヌはすぐに言葉が出てこなかった。

しかし、アンダーテイカーは、口元は緩く弧を描いているが、少し不安な表情も混じりながらマリアンヌの返事を待っている。



きちんと答えなければ……

内容が内容なだけあって、戸惑いを隠せなかったマリアンヌだったが、答えなど最初から1つしかないのだ。自分はそれを伝えるだけ。

マリアンヌは静かに深呼吸すると、アンダーテイカーの手を取り微笑みながら答えた。



「(アンダーテイカーさん…私はアンダーテイカーさんがどこで何をしていても構いません。貴方が、私だけを愛してくださるのなら…)」



「…マリアンヌ……」



マリアンヌはまっすぐとアンダーテイカーの目を見つめてフワリと笑った。



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