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君は小生の宝物/葬儀屋/黒執事

第10章 その死神、激情






何度も繰り返される謝罪の言葉にマリアンヌは泣きながらも懸命に頷き答えた。


「ありがとうマリアンヌ…もうあんな事は二度としないよ。ちゃんと…ちゃんとマリアンヌだけを大切にするから…やり直させておくれ…」


すると、アンダーテイカーは胸に顔を埋めているマリアンヌの頬を両手で包んで上を向かせると、真っ赤に染まった目元を親指で撫でながら続ける。


「マリアンヌ、何か小生に詫びをさせておくれ…あんなに酷い事をしてしまったんだ。小生に叶えられる事ならなんでもいい。いや…小生に叶えられない事だって構わない。マリアンヌが望むなら必ず叶えてみせる。だから…言っておくれ。でないと小生は罪悪感で押し潰されてしまいそうだ……」


アンダーテイカーの目から流れる涙がマリアンヌの頬に滴り2人の涙が混じり合う。


マリアンヌの頬に降ってきた涙は後悔の想いとマリアンヌに対する愛に溢れており、その頬を温かく濡らしていく。


そんな想いに胸を熱くしたマリアンヌは少しはにかみながら答えた。


「(それなら…1つだけ。)」


マリアンヌはアンダーテイカーの手を取らずに唇を動かした。










「(…もう1度、抱いてください…今度はいつもしてくれる様に…抱いて欲しいんです…)」











「マリアンヌ…?!」



「(…む、無理なお願いでしょうか…?)」



驚いた表情で自身を見つめられてしまい、マリアンヌの瞳は不安に揺れる。



「そんな事でいいのかい…??ほら…もっと…あるだろう?どんなに無茶なお願いだって構わないんだよ…?」



しかし、マリアンヌは首を縦には振らなかった。



「(私は…他の誰でもない、アンダーテイカーさんの愛が欲しいんです。一人占めしたいんです。だから…いつもの様に、私だけを愛してくれませんか…?)」



マリアンヌは、両頬を包み込んでいるアンダーテイカーの手にそっと自身の手を添えると、少し恥ずかしそうにしながら答えた。



「マリアンヌ……なんて事だ…」


そんないじらしい願いに、アンダーテイカーの心は切なく締めつけられ、言いようもない愛しさが込みあげてきてしまった。


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